2013年7月23日火曜日

きまぐれ栄養学 ~ミネラル編~

 少し前に、ビタミンの話をしましたが、今日はミネラルの話をしたいと思います。
 その前に、ビタミンについて、ちょっと振り返ってみましょう。

 人間の三大栄養素は、炭水化物 たんぱく質 脂質の三つで、この三つは、主に、エネルギーになる、身体を作るといった分野で働きますが、この三大栄養素以外の有機化合物がビタミンで、無機物がミネラルで、三大栄養素に、この二つを加えて五大栄養素と呼ぶ・・といった感じの事を、以前、書きました。

 このビタミンとミネラルは、主に、身体の調子を調えるといった分野で活躍しますが、ビタミンの働きについては、こないだ紹介しましたので、今日は、ミネラルの働きについて、書きたいと思います。


 ビタミンの事を書いたときには、「ビタミンは、水溶性と脂溶性の二種類に分けられる」的な事を書きましたが、ミネラルの場合は、体内に比較的多い主要ミネラル(主要元素)と、ごく少ない微量ミネラル(微量元素)の二種類に分けられます。

 ビタミンは、全部で13種類あると書きましたが、ミネラルの場合は、現在、16種類が、人間が健康維持のために摂取しなければいけないミネラル(必須ミネラル)として、知られています。

 その機能については以下の通りです。


主要元素


  カルシウム     骨の主成分 細胞間の情報伝達に不可欠

  リン         カルシウムやマグネシウムと結合し骨を形成 細胞の材料になる

  マグネシウム   骨の構成成分 代謝をスムーズにする働き 心臓病予防

  ナトリウム     カリウムと共に、細胞の物質交換や、水分をコントロールする

  カリウム      ナトリウムと共に、細胞の浸透圧を維持 細胞の働きを正常に保つ

  硫黄(イオウ)   たんぱく質に含まれ身体の組織を作る 健康な髪、皮膚、爪の形成に必須

  塩素        胃液に含まれたんぱく質の消化を助ける 食べ物の殺菌作用



微量元素



           血液を作るのに必須 酵素を運ぶ 赤血球のヘモグラビンの材料

  亜鉛       細胞や組織の代謝に欠かせない 多くの酵素の材料

           鉄を利用しやすくし、赤血球のヘモグロビン生成を助ける

  ヨウ素      基礎代謝を促進 成長や代謝を促す甲状腺ホルモンの材料として不可欠

  セレン      過酸化脂質を分解する酵素の材料として必要 細胞の酸化を防ぐ

  マンガン     酵酸化力のある酵素の材料になる 骨の石灰化に必要

  モリブデン    鉄の利用を高めて造血に必要 尿酸の代謝に関わる酵素の働きを助ける

  クロム      血糖値をコントロールするインスリンの働きをよくする 脂質の代謝にも必要

  コバルト     ビタミンB12の構成成分で造血に必要 神経の機能を正常に保つ


 一応、働きとしてはこんな感じです。

 あとは、これらのミネラルを多く含む食品を書いておきたいと思います。



 主要元素


  カルシウム     干しエビ 牛乳 チーズ ししゃも 木綿豆腐 カブの葉

  リン         ししゃも イワシ丸干し チーズ ヨーグルト 牛乳 木綿豆腐

  マグネシウム   そば アーモンド 落花生 大豆 野沢菜 干しひじき

  ナトリウム     ザーサイ 梅干し 塩イワシ 干しうどん ニシン燻製

  カリウム      大豆 大和芋 さつま芋 アボカド インゲン豆 バナナ

  硫黄(イオウ)   カツオ さんま ブリ うなぎ 鶏ササミ アジ開き きな粉

  塩素        イカ塩辛 梅干し 干しうどん 大抵の調味料



微量元素



           豚レバー 鶏レバー スモークレバー ホタルイカ 大豆 インゲン豆

  亜鉛       カキ 牛肉 ラム肉 豚レバー コンビーフ イワシの丸干し

           ホタルイカ イイダコ シャコ カキ 牛レバー 干しエビ

  ヨウ素      イワシ カツオ ブリ 昆布 乾燥わかめ 焼きのり

  セレン      イワシ ワカサギ ししゃも カキ 毛ガニ マグロ刺身 ねぎ 

  マンガン     栗 アーモンド そば 玄米ご飯 パイナップル缶詰

  モリブデン    豚レバー ウインナー 絹ごし豆腐 枝豆 ソラマメ きな粉 牛乳

  クロム      ウルメイワシ アサリ ホタテ貝 アナゴ 干しひじき 干し柿 インゲン 

  コバルト     牛・豚・鶏レバー サンマ アサリ スジコ 



 ざっと書きましたが、以上がミネラルを多く含む食品です。

 ここに挙げた食品以外にも、これらの成分を含む食品は、たくさんありますが、一応、こんな感じになります。


 ミネラルの主な働きは、ビタミン同様、酵素の成分となって、体の化学反応を進めることです。

 ただし、ビタミンが複数の元素で出来た有機化合物なのに対し、ミネラルは元素そのものである点が違います。

 一部のミネラルは、例えば、カルシウムは骨、ヨウ素はホルモン、鉄は赤血球の重要な構成成分になる・・て感じで、体の材料にもなります。

 ビタミンにしても、ミネラルにしても、過剰摂取や不足は、体にとって、あまりよくないので、バランス良く摂取したいものです。

 機会があれば、ビタミンとミネラルが不足したら(過剰摂取したら)、どんな障害があるかについても書けたらなと思います。


 それでは、今日はこの辺で_(._.)_



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